第1巻第4章で学んだカウンセリング技術を、授乳期のコンテキストに合わせて再構築します。授乳期特有の罠は、「念のため休止」が患者から授乳の喜びを奪う こと。これを防ぐためのコミュニケーション技術が本章の核です。
| 層 | 不安の中身 | 薬剤師の応答軸 |
|---|---|---|
| 第1層 | 「赤ちゃんに薬が悪影響を与えないか」 | RID・LactMed・Hale分類で定量回答 |
| 第2層 | 「母乳を止めるとミルクで足りるのか」 | 母乳継続の医学的・心理的メリット提示 |
| 第3層 | 「母親として薬を飲むことへの罪悪感」 | 共感+「お薬を飲むことは赤ちゃんを大切にする選択肢」 |
第1巻のカウンセリング4鉄則に 授乳期版の鉄則 を1つ追加します:「母乳継続のメリットを必ず提示する」。
| 分野 | 母乳継続のメリット |
|---|---|
| 乳児の健康 | 感染症リスク低下・アレルギー低減・SIDS予防効果 |
| 母体の健康 | 産後子宮復古促進・乳がん/卵巣がんリスク低下 |
| 愛着形成 | オキシトシン分泌・親子のスキンシップ機会 |
| 経済 | ミルク代不要・経済的負担軽減 |
| 身体的 | 乳腺炎予防・乳汁分泌維持 |
稀に 本当に授乳中断が必要な薬(抗がん剤・放射性ヨウ素治療等)があります。この時のコミュニケーションが薬剤師の真価が問われる場面です。
すでに何らかの理由(薬剤・母体疾患・乳児受け入れ等)で 母乳をやめた ママが薬局に来ることもあります。薬剤師から不用意に「母乳続けられたら良かったのに」とは 絶対に言ってはいけません。