📗 授乳編 PROTOTYPE
薬剤師りーこの授乳服薬指導 教科書
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CHAPTER 6

母乳継続を支える患者コミュニケーション

「やめないで」を授乳期に伝える技術
罪悪感を増やさず、不安に応える
りーこ先生

📌 この章の結論(3行)

  1. 授乳期の患者対応は 「母乳継続のメリット」を等価で並べる ところから始まる
  2. 「念のため休止」を防ぐ言い回しを 毎症例で言語化する
  3. 授乳継続できなかった患者の 罪悪感を増やさない ことも薬剤師の責務

第1巻第4章で学んだカウンセリング技術を、授乳期のコンテキストに合わせて再構築します。授乳期特有の罠は、「念のため休止」が患者から授乳の喜びを奪う こと。これを防ぐためのコミュニケーション技術が本章の核です。

6-1 授乳期の3層構造の不安

不安の中身薬剤師の応答軸
第1層「赤ちゃんに薬が悪影響を与えないか」RID・LactMed・Hale分類で定量回答
第2層「母乳を止めるとミルクで足りるのか」母乳継続の医学的・心理的メリット提示
第3層「母親として薬を飲むことへの罪悪感」共感+「お薬を飲むことは赤ちゃんを大切にする選択肢」

6-2 「母乳継続のメリット」を必ず言葉にする

第1巻のカウンセリング4鉄則に 授乳期版の鉄則 を1つ追加します:「母乳継続のメリットを必ず提示する」

分野母乳継続のメリット
乳児の健康感染症リスク低下・アレルギー低減・SIDS予防効果
母体の健康産後子宮復古促進・乳がん/卵巣がんリスク低下
愛着形成オキシトシン分泌・親子のスキンシップ機会
経済ミルク代不要・経済的負担軽減
身体的乳腺炎予防・乳汁分泌維持

6-3 「念のため休止」を防ぐ会話例

ユキさん
ユキさん(産後4ヶ月・風邪薬)
PL顆粒もらったんですが、念のため授乳お休みした方がいいですよね?
りーこ先生
りーこ先生(NG → OK)
NG例「そうですね、念のため休止しましょう」→ 不必要な授乳中断

OK例:「PL顆粒の成分はLactMedで 授乳継続可と評価されています。むしろこのお風邪で授乳を急に止めると、乳腺炎リスクが上がるんですよ。普段通り授乳しながらお薬を飲んで、しっかり休んでくださいね」

6-4 やむを得ず中断する時の伝え方

稀に 本当に授乳中断が必要な薬(抗がん剤・放射性ヨウ素治療等)があります。この時のコミュニケーションが薬剤師の真価が問われる場面です。

中断必須時の伝え方 4ステップ
  1. 共感:「中断は本当に辛い選択ですよね」を最初に伝える
  2. 医学的根拠:「このお薬では授乳期に乳児への影響が報告されている」を具体的に
  3. 搾乳継続の提案:「治療終了後の再開を目指すなら搾乳で乳汁分泌を維持」
  4. 罪悪感の軽減:「ミルクでも赤ちゃんは育ちます。母乳が全てではない」

6-5 母乳をやめざるを得なかったママへのフォロー

すでに何らかの理由(薬剤・母体疾患・乳児受け入れ等)で 母乳をやめた ママが薬局に来ることもあります。薬剤師から不用意に「母乳続けられたら良かったのに」とは 絶対に言ってはいけません

NG「もったいないですね」「もう少し頑張れば」→ 罪悪感増幅
OK「ミルクで育てるのも本当に大変ですよね。お疲れさまです」→ 共感のみ

📝 第6章 早見:授乳コミュニケーション

  • 3層の不安 薬の影響/ミルク代替/罪悪感 を見極める
  • 5鉄則 絶対評価・ベースライン・中断リスク・最終判断は患者 + 母乳継続のメリットを必ず提示
  • 「念のため休止」回避 乳腺炎リスクとセットで伝える
  • 中断必須時 共感→根拠→搾乳提案→罪悪感軽減
  • すでにやめたママ 「もったいない」は禁句・共感のみ
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